Clásicos japoneses con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 117.781 caracteres · 235 pantallas
母もそれにはめずらしく進んで自分の考えをのべた。父はこないだから読んでいた養鶏の本をひろげて、鶏舎の図面などを見ていたが、あまり意見をのべず、たいていは母の考えに従った。そして、「何事も経験だからな」と言った。祖母もそばで相談をきいていたが、あまり機嫌はよくなかった。
八月三十日
朝、俊三と二人で土手をあるき、栴檀の古木を見に行った。思ったほど大きな木ではなかった。木の陰に茶店があったが、中から女の人が出て来て、
「あんた達は本田さんの坊ちゃんでしょう。」
と言った。そうだと答えると、
「まあおはいりなさい。」
と言って、駄菓子などを盆にのせてくれた。横の壁に「栴檀茶屋」という額がかかっている。奥の方にはかなりりっぱな座敷があるらしい。僕には、その女が何だか料理屋なんかにいる女のように見え、変なうちだという気がしたので、すぐ帰ろうとした。すると、
「昨日は主人が留守だったものですから、お手伝いもしませんですみませんでした。お母さんによろしく言って下さいね。」
と、駄菓子を袋に入れて、無理に俊三の手に握らせた。
帰ってから、母にその話をすると、その茶店の主人が僕たちの家主だということだった。