Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 117.781 caracteres · 235 pantallas

Aozora Bunko

足を運びながら、彼は、小学校三年のころ、亡くなった母に、お祖父さんの算盤をこわしたのはお前だろう、とおっかぶせられて、そのまま無実の罪を被てしまった時のことを思い出し、さすがにいやな気持になった。しかし、それは彼の決心をにぶらすどころか、かえって彼を興奮させるに役立つだけだったのである。

教室にはいると、彼は、

「おくれました。」

と、ただそれだけ言って、自分の席についた。彼の机は、もうあたりまえに並べてあり、筆入も、中身といっしょに、きちんとその上にのせてあった。

その時間は、ちょうど学級主任の小田という若い国語の先生の時間だったが、次郎の顔を見てちょっとうなずいたきり、おくれた理由を問いただしてみようともしなかった。次郎は、もう先生は何もかも知ってるんだ、と思った。

時間は、あと二十分ばかりだったが、授業には、むろんよく身が入らなかった。そして、その時間がすむとちょうど午前の授業が終りになるので、次郎は、早引を願って帰ろうかとも考えていた。ところが、いよいよ鐘が鳴ると、小田先生は次郎の机のそばにやって来て言った。

「飯をすましたら、すぐ私の所に来るんだ。