Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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こおりぐらのにかい

氷蔵の二階

宮本 百合子

Lee 氷蔵の二階 (こおりぐらのにかい) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 18.201 caracteres · 37 pantallas

Aozora Bunko

気合をこめて引張っては擽ったそうな顔をする。房が到頭ふき出した。

「何よ、それは――はっはっはっ」

つられて、志野も笑い出した。

「――だけれど、あなたみたいに装(なり)ふりかまわないひとはなくてよ――学校にいた時分からそんな髪だったじゃないの」

「そうね」

「もう少し何とかすればいいのにさ。十八九の時分と、二十過ても同じじゃ余り可哀そうよ」

やがて志野は、

「どれ、一寸私にいじらせて御覧なさい」

と、気軽に房の後に廻った。彼女は、器用に、長い、たっぷりした髪を梳き始めた。

「こんなにあるのに――私なら素敵な髪に結って見せるわ――髪の形で喫驚(びっくり)する程ひとって変るもんよ」

自分の毛筋立てや鬢かき迄持ち出し、志野は自分が結っているような洋髪に結い始めた。

「さ、これ持ってて」

彼女は、房に鏡を持たせた。一ところへ形をつけては、

「どう?」

と背後から顔を重ねて自分も鏡を覗きこんだ。

「いいじゃあないの、すっかり可愛くなっちゃうわ」

房は、好奇心の動く、一方、極りの悪そうな表情で云った。

「私の髪、どっさりあったって強(こわ)いから駄目よ、こんなの」

「結いつけないから、そりゃいきなり理想的には行かなくてよ。