Clásicos japoneses con furigana
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えいじつしょうひん
永日小品
Lee 永日小品 (えいじつしょうひん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 50.000 caracteres · 100 pantallas
そのなかで、十になる長女は、泥棒が台所から這入ったのも、泥棒がみしみし縁側を歩いたのも、すっかり知っていると云った。あらまあとお房さんが驚いている。お房さんは十八で、長女と同じ部屋に寝る親類の娘である。自分はまた床へ這入って寝た。
明くる日はこの騒動で、例よりは少し遅く起きた。顔を洗って、朝食をやっていると、台所で下女が泥棒の足痕を見つけたとか、見つけないとか騒いでいる。面倒だから書斎へ引き取った。引き取って十分も経ったかと思うと、玄関で頼むと云う声がした。勇ましい声である。台所の方へ通じないようだから、自分で取次に出て見たら、巡査が格子の前に立っていた。泥棒が這入ったそうですねと笑っている。戸締りは好くしてあったのですかと聞くから、いや、どうもあまり好くありませんと答えた。じゃ仕方がない、締りが悪いとどこからでも這入りますよ、一枚一枚雨戸へ釘を差さなくちゃいけませんと注意する。自分ははあはあと返事をしておいた。この巡査に遇ってから、悪いものは、泥棒じゃなくって、不取締な主人であるような心持になった。
巡査は台所へ廻った。そこで妻を捉まえて、紛失した物を手帳に書き付けている。