Clásicos japoneses con furigana
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Lee 泣虫小僧 (なきむしこぞう) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 34.906 caracteres · 70 pantallas
玄関には、大きな男の下駄がぬいであった。風呂からあがりたてで桜ン坊のように赤くなった礼子が奥から走って来た。
貞子は、玄関へつっ立ったまま妹達へ上がれとも言わない。
「寛子姉さんがね、啓坊を連れてって、容子を訊いてくれって言うもんで……」
「そう、じゃ、啓吉置いてらっしゃい、何も、容子なんかあンた達に話す事ないじゃないのさ……」
「怒ってンの?」
菅子が急にむっとして言った。
「怒ってやしないけど、連れに行くまで置いてくれてもいいじゃないの……姉妹甲斐もないねえ」
「何よういってンのウ、湯帰りか何かでのんびりしててさ、自分の子供を妹の所帯へあずけっぱなしで……何もねえ、容子を訊くってのは、男のひとが居るのか居ないのかをさぐりに来たンじゃないわよ」
「まア、いいわよお菅ちゃん!」
蓮子が急におろおろした。
「放っといてよお蓮ちゃん! いうだけはいわなくちゃア、ええ? 昨夜は啓坊は私のところで泊るし、その前の晩は、神田の尺八を吹く人の家に世話になったりして、寛子姉さんとこだって、二晩もあずかってさ、夫婦喧嘩までおっぱじめたりしたのよ……そんな邪魔な子だったら孤児院にでもやったらいいでしょう!」