Clásicos japoneses con furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lee 浅草風土記 (あさくさふどき) de 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 162.294 caracteres · 318 pantallas
――「吐舌一番、その舌の赤かりしを知るのみ」とあったそのなかの一句が、なぜか、わたしに、その後いつまでも忘れることが出来ずに残った。
爾来、十幾年、縁あって岡村柿紅と識り、いろいろ無駄をいい合うようになってから、話がたまたまかっぽれのことに及ぶと、かれ、金丸を説き、国松を論じ、まくし立てて、わたしをして口を噤むのやむなきに至らしめた。すなわち、わたしは酬ゆるにその「梅坊主と岩でこ」を以てした。――今更のように、わたしは、それを書いた主の、どこの、誰とも分らないことを残念に思った。
と、かれ、柿紅、
「ああ、あれは俺が書いたんだよ」
莞爾としていった。
その小屋の真向いに「珍世界」があった。ほうぼうの国の、珍しいもの、不思議なもの、たとえば、みいらだの、蟻の塔だの、素性も分らないさかなの剥製だの、そういったようなものがガランとした室のなかに万遍なく並べられてあった。土俗的、伝説的なものが多かった。根っから面白くないものだった。ただ、入口に置かれてあった猿の人形。――赤い洋服を着、右に向き、左に向きながら、断えず太鼓を叩いていたあの猿の人形が、今でも、わたしの思い出のなかで寂しく太鼓を叩いている。