Clásicos japoneses con furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lee 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 161.305 caracteres · 321 pantallas
「万寿はいつはいったんだい」と虱小屋から、はい出した兄弟がきいた。
「昨夜おそくよ」彼は答えた。
「けさここへ纜ってあった伝馬は、万寿のじゃなかったかい」と、船頭はきいた。
「こいつらも知ってら。へ、知ってるはずだ。七時だもんなあ。だが、一体昨夜のことは、ほんとにこのおれが経験したこったろうか、それとも、……全く不思議だったなあ」小倉は昨夜の女のことを考えていた。彼女は賢いそして「純潔」な女だった。
二二
小倉は万寿丸へ帰った。当番のコーターマスターは、梯子をのぼり切ると、すぐに、小倉を取っつかまえた。
「どうしたんだい。心配したぜ、昨夜は、流されやしなかったかって。そして伝馬はどうしたんだ、やっぱりやられたのかい」
船に残った者は、なるほど一切の事情を知らないはずであった。そして、サンパン止めくらいの荒れた夜中のことだから、伝馬をやられたために、夜帰れなかったんだと、船員たちは勝手に想像して気をもんでいたのだった。「伝馬は、船長を上陸させて置いて帰りに、橋をくぐる時に、打っつけて、こわれた――それほど古くも弱ってもいないんだが――といえば、船員たちには、どうにかこうにか、三上が帰って来ないで、サンパンの船頭がしゃべらない限りわかりはしないんだが、さてそれでは三上はどこへ行ったということになるし、何も隠し立て