Clásicos japoneses con furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lee 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 161.305 caracteres · 321 pantallas
「船に忘れて来たぞ」
「冗談いっちゃいけない。三上、おれは今日万寿で、すっかり様子を聞いて来たんだぞ。いい加減にしろ、伝馬まで乗り逃げやりやがって。どうしたい伝馬なんか」
「ええ! こうなりゃ癪だ、いっちまえ、畜生! 伝馬はつないであるよ」
「どこにあるんだい」
「おやじのサンパンのつないであるところさ」
「何だってあんな邪魔っけなものを、のろのろと漕いで来たんだい」
「売り飛ばすつもりなんだ!」
「買い手はあるつもりかい」
「売り物だったら買い手もあろうじゃないか」
おやじは、もう三上と「まじめ」な話をすることは「やめた」と決めた。が、それにしても、こんな野郎に「踏み止まれちゃ」商売が上がってしまうのだった。
「お前もう横浜じゃとてもだめだから、神戸へでも行って見たらどうだね、そのサンパンに乗ってさ。え」
「おらあ、万寿が帰って来るまで待ってるよ。浜で。船員手帳はおれのもんだからなあ」
「万寿の船長は、お前を監獄にほうり込んでやるといってたそうだぜ」
「船長が、しかしそうはしないだろうよ。おれが監獄へほうり込まれる前に、やつが海ん中へたたっ込まれるだろうよ」
「お前は、船長を、おどかしたってえじゃないか、『海ん中へたたっ込むぞっ』