Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しぶやけのしそ

渋谷家の始祖

宮本 百合子

Lee 渋谷家の始祖 (しぶやけのしそ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 68.023 caracteres · 133 pantallas

Aozora Bunko

床柱も、畳も、程よく寂びた離座敷にポツネンと坐りながら、正隆は、よく、その見えない敵に向って呪咀を投げた。

第一、正隆にとっては、このことの起りからが、疑問になって来た。これほど、言葉の不自由な、封建的な地方へ、何故、何の予備智識も持たない自分が、投げ込まれたのだろう。困るのは、解りきったことではないか。

その困るのを見て、皆が内心では侮蔑しながら、軽視し、邪魔物扱いにしながら、表面だけは、どこまでも、親切そうな、好意を持った仲間らしく扮(よそお)っている。それのみか、普通、こんな状態になれば、当然、提出されるべき免職沙汰も持ち上らないのは、どういう訳なのだろう。

若し、ほんとに自分の価値を認めて、留任を願うならば、何より自分には直接な関係を持つ学生に対して、何等か、緩和的な調停が与えらるべきではないか、それだのに、依然として、学生は自分の悪口を云い、解らない言葉を連発して苦しめるままに放任して置きながら、それから逃れる方法として免職させようともしないということは、正隆を考えさせる。

つまり彼等は、逃路を塞いで置いて、火をかけたようなものではないか。