Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ゆなのたましい

湯女の魂

泉 鏡花

Lee 湯女の魂 (ゆなのたましい) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 27.936 caracteres · 55 pantallas

Aozora Bunko

「訳はない。姉さん、何の事たな。」

十二

「皆そりゃ熱のせいだ、熱だよ。姉さんも知ってるだろうが、熱じゃ色々な事を見るものさ。疫の神だの疱瘡の神だのと、よく言うじゃないか、みんなこれは病人がその熱の形を見るんだっさ。

なかにも、これはちいッと私が知己の者の維新前後の話だけれども、一人、踊で奉公をして、下谷辺のあるお大名の奥で、お小姓を勤めたのがね、ある晩お相手から下って、部屋へ、平生よりは夜が更けていたんだから、早速お勤の衣裳を脱いでちゃんと伸して、こりゃ女の嗜だ、姉さんなんぞも遣るだろうじゃないか。」

「はい。」

「まあお聞きそれから縞のお召縮緬、裏に紫縮緬の附いた寝衣だったそうだ、そいつを着て、紅梅の扱帯をしめて、蒲団の上で片膝を立てると、お前、後毛を掻上げて、懐紙で白粉をあっちこっち、拭いて取る内に、唇に障るとちょいと紅が附いたろう。お小姓がね、皺を伸してその白粉の着いた懐紙を見ていたが、何と思ったか、高島田に挿している銀の平打の簪、※が附いている、これは助高屋となった、沢村訥升の紋なんで、それをこのお小姓が、大層贔屓にしたんだっさ。