Clásicos japoneses con furigana
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しょうねん
潤一郎ラビリンスI――初期短編集
谷崎 潤一郎
Lee 潤一郎ラビリンスI――初期短編集 (しょうねん) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 41.319 caracteres · 84 pantallas
まさに道楽の真髄に徹したもので、さながら歓楽の権化かと思われます。藝者などにも、どっちがお客だか判らないほど、御機嫌を伺って、お取り持ちをするので、始めのうちは「でれ助野郎め」と腹の中で薄気味悪がったり、嫌がったりしますが、だん/\気心が知れて見れば、別にどうしようと云う腹があるのではなく、唯人に可笑しがられるのを楽しみにするお人好なのですから、「桜井さん」「桜井さん」と親しんで来ます。然し一方では重宝がられると同時に、いくらお金があっても、羽振りがよくっても、誰一人彼に媚を呈したり、惚れたりする者はありません。「旦那」とも、「あなた」とも云わず、「桜井さん」「桜井さん」と呼び掛けて、自然と伴れのお客より一段低い人間のように取り扱いながら、其れを失礼だとも思わないのです。実際彼は尊敬の念とか、恋慕の情とかを、決して人に起させるような人間ではありませんでした。先天的に人から一種温かい軽蔑の心を以て、若しくは憐愍の情を以て、親しまれ可愛がられる性分なのです。恐らくは乞食と雖、彼にお時儀をする気にはならないでしょう。彼も亦どんなに馬鹿にされようと、腹を立てるではなく、却って其れを嬉しく感じるのです。