Clásicos japoneses con furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Lee 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 86.705 caracteres · 173 pantallas
「さほどまでこの拙者を――かたじけない。千浪どのと伴れ立って道場とやらへ帰るに異存はないが、まず、それより先、拙者の隠れ家というへ御案内申そう。そこでゆるゆる談合の上――。」
祖父江出羽守は、悪戯らしい微笑を頭巾に包んで、声を装って言った。
千浪は何ごとも気取らぬらしく、
「あの、下谷をお出になってから隠れていらしったお家へ、わたくしをお連れ下さるとおっしゃるのでございますか。」
いったいどこだろう? どんなところであろうかと、浅い女ごころに、もう面白そうな顔つきだ。
「さよう。拙者が下谷を追ん出てからの住いじゃ。では、こうまいられよ。」
と、真昼の狼。
ゆらり、片ふところ手。
かた手を、朱鞘の大刀の鍔元に添えて、のっしのっしと歩き出す。
その後から、ゆめかとばかりうれしげに、小走りについて行く千浪のすがた。
どこへ伴れて行かれることやら――。
と!
この時である。その、日本橋ぎわ御高札場に立った、新しい札の文句――。
御示
数年来江戸町々にて押込みを相働き、財物を奪いて諸人に迷惑をかけし煩悩夜盗儀、またもや近ごろ諸処方々にあらわれ荒らし廻りおる趣。