Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

Lee 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 86.705 caracteres · 173 pantallas

Aozora Bunko

こう考えてくると、復讐そのものが一つの煩悩かもしれなかった。

「つまるところ人間は、煩悩に生まれて煩悩に死ぬ。これだけは煩悩ではないつもりでも、こうやって思いつめているだけで、それがすでに煩悩の一つかもしれねえ。」

伴大次郎は、ああして祖父江出羽と同じ服装で、いま町をさまよっている。四、五日前にここへ訪ねて来て、小信にも会ったが、気の狂っている小信が、実の弟を目のあたりに見ても、気のついた顔もしなかったのに不思議はない。悲しみのうちに大次郎は、なおも小信の身を宗七夫婦に頼んで、またどこともなく立ち去ったのだったが――。それに、あの文珠屋佐吉――煩悩小僧の正体を知っているものは、自分一人なのだが、金の煩悩のために盗みを働くとわかっているだけに、やぐら下の宗七も、出羽を首にするまでは、煩悩小僧は挙げられねえ。

だが、その後では?――佐吉も喜んでおいらの繩にかかるとは言っているが、だが、友達の身に、この捕り繩を当てることができようか――。

あわただしい跫音が路地を飛んで来て、格子のそとからお多喜の声、

「ちょいと、お前さん! 大変だよ! 大変だよ! 出て来ておくれってば!」