Clásicos japoneses con furigana
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ばくだんたいへいき
爆弾太平記
夢野 久作
Lee 爆弾太平記 (ばくだんたいへいき) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 49.653 caracteres · 98 pantallas
そこで吾輩もヤット安心して、組合の仕事に没頭しているうちに、忘れるともなく忘れていると、二三週間経つうちに、それまでチョイチョイ吾輩の処へ飲みに来ていた老医師がパッタリと来なくなった。……ハテ。可笑しい……もしや患者の容態が変ったのじゃないか知らん。それとも呑兵衛先生御自身が、中気にでもかかったのじゃないか知らん……考えているうちに、急に心配になって来たから、チットばかりの金を懐中に入れて、医院の門口から覗き込んでみると、開いた口が三十分ばかり塞がらなかった。
鬚だらけの脱獄囚みたいな友吉おやじと、鶴髪童顔、長髯の神仙じみた老ドクトルが、グラグラ煮立った味噌汁と虎鰒の鉢を真中に、片肌脱ぎか何かの差向いで、熱燗のコップを交換しているじゃないか。おまけに酌をしている忰の友太郎を捕まえて、
「……野郎。この事を轟の親方に告口しやがったらタラバ蟹の中へタタキ込むぞ」
と怒鳴っているのには腰を抜かしたよ。医者が医者なら病人も病人だ。世の中にはドンナ豪傑がいるか知れたものじゃない。……むろん吾輩の方から低頭平身して仲間に入れてもらったが、その席上で友吉おやじは吾輩の前に両手を突いて涙を流した。