Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ばくだんたいへいき
爆弾太平記
夢野 久作
Lee 爆弾太平記 (ばくだんたいへいき) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 49.653 caracteres · 98 pantallas
その中を押し合い、ヘシ合い、突飛ばし合いながら両舷のボートに乗移ろうとする。上から上から這いかかり乗りかかる。怪我をする。血を流す。嘔吐く。気絶する。その上から踏み躙る。警官も役人も有志も芸妓も有ったもんじゃない。皆血相の変った引歪んだ顔ばかりで、醜態、狼狽、叫喚、大叫喚の活地獄だ。その上から非常汽笛が真白く、モノスゴク、途切れ途切れに鳴り響くのだ。
左右の舷側に吊した四隻のカッター端舟はセイゼイ廿人も乗れる位のもので在ったろうか。一艘毎に素早い船員が飛乗って、声を嗄らして制止しているが耳に入れる者なんか一人も居ない。我勝ちに飛乗る、縋り付く、オールを振廻すという状態で、あぶなくて操作が出来ない。そのうちに左舷の船尾から猛烈な悲鳴が湧き起ったから、振り返ってみると、今しも人間を山盛りにして降りかけた端舟が、操作を誤って片っ方の吊綱だけ弛めたために、逆釣りになってブラ下がった。同時に満載していた人間がドブンドブンと海へ落ちてしまったのだ。海の深さはそこいらで十五六尋も在ったろうか……。
それを見た瞬間に吾輩はヤット我に返った……これは俺の責任……といったような感じにヒドク打たれたように思う。