Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lee 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 101.908 caracteres · 204 pantallas

Aozora Bunko

「は」

しばらくすると、秘書の案内で、彦田博士が、部屋へはいってきた。

帆村が見ると、博士は、五十を少し越えた老学者であった。

そのとき、帆村は、ふと妙な感にうたれたのである。この彦田博士には、前に、どっかで会ったことがあると。

しかしほんとうは、帆村は、まだ一度も彦田博士に会ったことがなかったのであった。それにもかかわらず、博士に会ったことがあるような気がしたのは、別の原因があったのだ。そのことは、だんだんわかってくる。

長官は、両人を、たがいに引き合わせると、

「ところで、彦田博士。例のX塗料が手に入ったのです」

「えっ、X塗料が、ほんとうですか。いや、失礼を申しました。でも、あまりに意外なお話をうかがったものですから、あれが、まさか手に入るとは」

「そこに立っている帆村君が、大苦心をして、とってきてくれたのだが、惜しいところで、大きいのを紛失して、残ったのは、そこにある紙にのっているわずかばかりだけですわい」

と、長官は、卓子の上を指した。

「えっ、この紙ですか。どこに、それが」

博士が、面食うのもむりではなかった。帆村は、また冷汗をながした。そして博士に、残る微量のX塗料のことを説明したのであった。