Clásicos japoneses con furigana
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ちち
父
Lee 父 (ちち) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 3380 caracteres · 7 pantallas
これは当時、マッキンレイと云う新形の靴が流行ったのに、この男の靴は、一体に光沢を失って、その上先の方がぱっくり口を開いていたからである。
「パッキンレイはよかった。」こう云って、皆一時に、失笑した。
それから、自分たちは、いい気になって、この待合室に出入するいろいろな人間を物色しはじめた。そうして一々、それに、東京の中学生でなければ云えないような、生意気な悪口を加え出した。そう云う事にかけて、ひけをとるような、おとなしい生徒は、自分たちの中に一人もいない。中でも能勢の形容が、一番辛辣で、かつ一番諧謔に富んでいた。
「能勢、能勢、あのお上さんを見ろよ。」
「あいつは河豚が孕んだような顔をしているぜ。」
「こっちの赤帽も、何かに似ているぜ。ねえ能勢。」
「あいつはカロロ五世さ。」
しまいには、能勢が一人で、悪口を云う役目をひきうけるような事になった。
すると、その時、自分たちの一人は、時間表の前に立って、細い数字をしらべている妙な男を発見した。その男は羊羹色の背広を着て、体操に使う球竿のような細い脚を、鼠の粗い縞のズボンに通している。縁の広い昔風の黒い中折れの下から、半白の毛がはみ出している所を見ると、もうかなりな年配らしい。