Clásicos japoneses con furigana
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ぎゅうにくとばれいしょ
牛肉と馬鈴薯・酒中日記
国木田 独歩
Lee 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 54.018 caracteres · 109 pantallas
「まさかそんなことは有りませんわ」
「しかし今日は好い案排に暖かいね。母上でも今日は大丈夫だろう」と両手を伸して大欠伸をして
「何時かしらん」
「最早直ぐ十二時でしょうよ。お午食にしましょうか」
「イヤ未だ腹が一向空かん。会社だと午食の弁当が待遠いようだけどなア」と言いながら其処を出て勝手の座敷から女中部屋まで覗きこんだ。女中部屋など従来入ったことも無かったのであるが、見ると高窓が二尺ばかり開け放しになってるので、何心なく其処から首をひょいと出すと、直ぐ眼下に隣のお源が居て、お源が我知らず見上た顔とぴたり出会った。お源はサと顔を真赤にして狼狽きった声を漸と出して
「お宅ではこういう上等の炭をお使いなさるんですもの、堪りませんわね」と佐倉の切炭を手に持ていたが、それを手玉に取りだした。窓の下は炭俵が口を開けたまま並べてある場処で、お源が木戸から井戸辺にゆくには是非この傍を通るのである。
真蔵も一寸狼狽いて答に窮したが
「炭のことは私共に解らんで……」と莞爾微笑てそのまま首を引込めて了った。
真蔵は直ぐ書斎に返ってお源の所為に就て考がえたが判断が容易に着ない。お源は炭を盗んでいるところであったとは先ず最初に来る判断だけれど、真蔵はそれをそのまま確信することが出来ないのである。