Clásicos japoneses con furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Lee 犬田卯短編集 一 (こぶ) de 犬田 卯 (いぬたしげる) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 48.259 caracteres · 96 pantallas
仇をなして隠然公然、多くの男の慰み者に堕し、うまく立廻って小金は蓄めたか知れないが、そのためにどんなに自分たち兄妹――兄及び弟の三人のものが惨めな境涯に陥ちたことであったろう。そのため家を飛び出した長兄は他郷に死し、祖父母の許にあって成育した彼女と弟とのみが、辛うじて一人前になったが、いや、そのことよりも何よりもおせき兄弟を身も世もあらぬ思いに駆ったのは、「お前ら家のおっ母は誰某のメカケだっぺ、……」と言ったような同僚たちの嘲笑だった。
そのために兄弟たちは殆んど学校へも行く気になれず、いい加減のところでやめてしまい、祖父に従って百姓仕事に身をかくし、長兄の出奔後、おせきは十八歳でいまの浩平を婿にもらって、傾く身上を支えたのであった。弟の清吉は、これも十五のとき東京の工場へつとめることになって、後、電気会社に入り、いまは応召中である。
母のお常は家にいたりいなかったり、定まらぬ日常を送っていたが、四十五六の頃、身体を悪くしてからは余り出歩かず、いつの間にか昔の姿にかえって野良へも出るようになっていた。ことにおせきが次から次へと子供を産んで、ますます困窮の加わるここ数年間、全く母の手なしには、一家は「のたり切れ」