Clásicos japoneses con furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Lee 犬田卯短編集 一 (こぶ) de 犬田 卯 (いぬたしげる) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 48.259 caracteres · 96 pantallas
」
この女房の一言はぐさりと浩平の胸を刺した。
「なに、もう一遍言ってみろ。」
ぐいっと向き直ったが、おせきのぎらぎらする両眼に打つかると、浩平は矢庭にそっぽを向いた。
「一遍でも百遍でもいうとも。こんな肥料、いくらで、誰から買ったか知んねえけんど、これが丁満に利いたらお目にかからア。」
何か言いかえすかと夫を見たが、そっぽを向いたまま知らん振りで、相変らずばらばらと撒きつづけているので、おせきは威丈高になった。
「こんなもの、いくらで買ったか知らねえが、よくもそんな腐れ肥料買う金があったことよな。まさか、その金、どこからかぬすとして来たわけじゃあるめえが、よく借りるところがあったことよな。」
暗に母のところを指したこの針をふくんだ一言は、またしてもぐさりと浩平をえぐった。
「どこで借りようと、誰に借りようと、お前らに心配かけねえから……」
「心配かけねえ?」
「かけねえとも――」
「ふん、そんな、はア、水臭えこと抜かしやがるんなら、さっさと俺家出てもらアべ、婿の分際も弁えねえで、心配かけねえとは何事だ。自分勝手に、婿なんどに身上引っかき廻されて、それでこの俺が、黙っていられっかっちんだ。