Clásicos japoneses con furigana
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きょうじんはわらう
狂人は笑う
夢野 久作
Lee 狂人は笑う (きょうじんはわらう) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 12.853 caracteres · 26 pantallas
その神々しい気持よさというものは、一度味ったらトテモトテモ忘れられないものだそうです。
ええ。無論そうですとも。夜になっても眠られないのは、わかり切った事ですが、しかし富豪たちはチットも疲れを感じません。影のように附添って介抱する黄色い着物の茶博士たちが、入れ代り立ち代り捧げ持って来る崑崙茶の霊効でもって、夜も昼も神仙とおんなじ気持になり切っている。神凝り、鬼沈み、星斗と相語り、地形と相抱擁して倦むところを知らず。一杯をつくして日天子を迎え、二杯を啣んで月天子を顧みる。気宇凜然として山河を凌銷し、万象瑩然として清爽際涯を知らずと書物には書いてあります。
けれどもその間は、お茶の味をよくするために食物を摂りません。ただ梅の実の塩漬と、砂糖漬とを一粒宛、日に三度だけ喰べるのですから、富豪たちの肉体が見る見る衰弱して行くのは云う迄もない事です。安楽椅子に伸びちゃったまま、黄色い死灰のような色沢になって、眼ばかりキラキラ光らしている光景は、ちょうど木乃伊の陳列会みたいで、気味の悪いとも物凄いとも形容が出来ないそうです。
ところが、おしまいにはその眼の光りもドンヨリと消え失せてしまって、何の事はないキョトンとした空っぽの人形みたいな心理状態になる。