Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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さるこぞう

猿小僧

萠円山人

Lee 猿小僧 (さるこぞう) de 萠円山人 (ほうえんさんじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 5635 caracteres · 12 pantallas

Aozora Bunko

あとからついて来た二人の男は驚いて、

「馬鹿な小僧だなあ」

と云った。

けれども親分らしい男は黙って、今磨いだばかりの庖丁を小僧の眼の前に突きつけて、睨み付けて云った。

「さあいいか」

これを見ると、小僧は急に高らかに笑い出した。

「アハハハ。お前達に肝を取られるような間抜じゃない。今のは鳥渡嘘を吐いて嘲弄ったのさ。態を見ろヤイ」

と云いながら、親分の顔にプッと唾を吐きかけた。親分は「奴れ」と云い様、小僧の胸を目がけて庖丁をグサと突き立てた。けれどもその胸は板のように固かった。ハッと驚いてよく見ると、庖丁は木の幹に突っ立っていて、小僧の姿はどこへ行ったかわからなかった。

「ヤーイ。馬鹿野郎。間抜け野郎。ここまでお出で。甘酒進上」

と云う声が木の上からきこえて来た。それと一所に水がバラバラと降って来た。見ると小僧はいつの間にか木の上に駈け上って、三人に小便をしかけていた。三人は怒るまい事か、庖丁を口に啣え、手ん手に木に登り初めたが、三人が小僧の傍まで来ると、小僧は又一段高い処に登って散々に悪態を吐いた。三人は益憤って、どこまでもと追いつめた。そしてとうとう一番天辺まで来ると、小僧は鳥のように隣りの木の枝へ飛び移って、スルスルと地面へ辷り降りて砂原へ来て、十三人の子供を船に乗せて帆を揚げた。