Clásicos japoneses con furigana
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ことのそらね
琴のそら音
Lee 琴のそら音 (ことのそらね) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 20.985 caracteres · 42 pantallas
「何だい御みおつけと云うのは」
「味噌汁の事さ。東京の婆さんだから、東京流に御みおつけと云うのだ。まずその汁の実を何に致しましょうと聞かれると、実になり得べき者を秩序正しく並べた上で選択をしなければならんだろう。一々考え出すのが第一の困難で、考え出した品物について取捨をするのが第二の困難だ」
「そんな困難をして飯を食ってるのは情ない訳だ、君が特別に数奇なものが無いから困難なんだよ。二個以上の物体を同等の程度で好悪するときは決断力の上に遅鈍なる影響を与えるのが原則だ」とまた分り切った事をわざわざむずかしくしてしまう。
「味噌汁の実まで相談するかと思うと、妙なところへ干渉するよ」
「へえ、やはり食物上にかね」
「うん、毎朝梅干に白砂糖を懸けて来て是非一つ食えッて云うんだがね。これを食わないと婆さんすこぶる御機嫌が悪いのさ」
「食えばどうかするのかい」
「何でも厄病除のまじないだそうだ。そうして婆さんの理由が面白い。日本中どこの宿屋へ泊っても朝、梅干を出さない所はない。まじないが利かなければ、こんなに一般の習慣となる訳がないと云って得意に梅干を食わせるんだからな」
「なるほどそれは一理あるよ、すべての習慣は皆相応の功力があるので維持せらるるのだから、梅干だって一概に馬鹿には出来ないさ」