Clásicos japoneses con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lee 生々流転 (しょうじょうるてん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 297.521 caracteres · 586 pantallas
「三十三銭」
息子は「え」といって聞えない振りをして、片手を耳に当てゝ首を前に突出しましたが、すぐ判った振りをして、
「なに、三十三銭。えー三十と三銭。廉いな。この仁清の傑作が、メクラかい。あき盲どもだ。だがまあ仕方ない。札元引取りにしたいんだが清水の舞台から飛び降りたつもりで」
こゝでぱん/\/\と手を拍ち合せ、
「負けて置こう。さあ、持ってけ」
笑い声がまた起った。中から一人が伸び出して息子から古ぼけた湯呑が渡されました。傍のものが勿体振った声をして、
「や、お目出度う。永く御家宝ものです」と言った。するとまた一座はどっと笑った。
息子は、今度は朽木のようなものを抱え上げて、電灯の下で振り廻しながら、
「さあ、今度はたいしたもんだぞ、木質は天竺、檀特山から得ました伽羅の名木と来るかな。わが朝は仏縁深重の地とあって、伊勢ノ国阿漕ヶ浦に流れ寄り、夜な夜な発する霊光。こゝに行基菩薩という方は東国化導のみぎり、この浦を通りかゝられましてと来るかな」
「競り方、だいぶ苦しいと見えて、名文句の間に、来るかなが多過ぎるぞ」
誰かが半畳を入れました。また、どっと笑い声が起った。