Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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たばたにっき

田端日記

芥川 竜之介

Lee 田端日記 (たばたにっき) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 4435 caracteres · 9 pantallas

Aozora Bunko

一しょに行きませんか。」と云った。八重子も是非一しょに行けと云う、これは僕が新橋の芸者なるものを見た事がないから、その序に見せてやろうと云う厚意なのだそうである。僕は八重子に、「お前と一しょに行くと、御夫婦だと思われるからいやだよ。」と云って外へ出た。そうしたら、うしろで「いやあだ。」と云う声と、猪口の糸底ほどの唇を、反らせて見せるらしいけはいがした。

外濠線へ乗って、さっき買った本をいい加減にあけて見ていたら、その中に春信論が出て来て、ワットオと比較した所が面白かったから、いい気になって読んでいると、うっかりしている間に、飯田橋の乗換えを乗越して新見附まで行ってしまった。車掌にそう云うのも業腹だから、下りて、万世橋行へ乗って、七時すぎにやっと満足に南町へ行った。

南町で晩飯の御馳走になって、久米と謎々論をやっていたら、たちまち九時になった。帰りに矢来から江戸川の終点へ出ると、明き地にアセチリン瓦斯をともして、催眠術の本を売っている男がある。そいつが中々風発しているから、面白がって前の方へ出て聞いていると、あなたを一つかけて上げましょうと云われたので、々退却した。