Clásicos japoneses con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lee 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 144.507 caracteres · 291 pantallas
」
その人は笑いながら、手に持っている小さい熊手と、笹の枝に通した唐の芋とを見せました。彼は山岸猛雄――これも仮名です――という男で、やはり私とおなじ下宿屋に止宿しているのですから二人は肩をならべて歩き始めました。
「ずいぶん賑やかですね。」と、わたしは言いました。「そんなものを買ってどうするんです。」
「伊佐子さんにお土産ですよ。」と、山岸はまた笑っていました。「去年も買って行ったから今年も吉例でね。」
「高いでしょう。」と、そんな物の相場を知らない私は訊きました。
「なに、思い切って値切り倒して……。それでも初酉だから、商人の鼻息がなかなか荒い。」
そんなことを言いながら四谷見附の方角へむかって来ると、山岸はあるコーヒー店の前に立ちどまりました。
「君、どうです。お茶でも飲んで行きませんか。」
かれは先に立って店へはいったので、わたしもあとから続いてはいると、幸いに隅の方のテーブルが空いていたので、二人はそこに陣取って、紅茶と菓子を注文しました。
「須田君はお酒を飲まないんですね。」
「飲みません。」
「ちっともいけないんですか。」
「ちっとも飲めません。」
「わたしも御同様だ。