Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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うみがめ

異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二

岡本 綺堂

Lee 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 144.507 caracteres · 291 pantallas

Aozora Bunko

後者は、鐘のないことがいよいよ確かめられたために、福井は面目をうしなった。自分は粗忽の申訳に切腹しなければならない。しょせん死ぬならば、口論の相手の三上を殺して死のうと計ったのであろうという。ふたりの死因は大方そこらであるらしく、水練に達している彼らが互いに押し沈めようとして水中に闘い疲れ、ついに組み合ったままで息が絶えたものらしい。しかも肝腎の問題は未解決で、鐘があったために二人が死んだのか、鐘がなかったために二人が死んだのか、その疑問は依然として取残されていた。

大原はひと月ばかりの後に、ようやく元のからだになると、同役の或る者は彼にささやいた。

「それでも貴公は運がよかったのだ。三上と福井が死んだのは水神の祟りに相違ない。それが上のお耳にも聞えたので、鐘の引揚げはお沙汰止みになったそうだ。」

英邁のきこえある八代将軍吉宗が果して水神の祟りを恐れたかどうかは知らないが、鐘ヶ淵の引揚げがその後沙汰やみになったのは事実であった。大原家の記録には、「上にも深き思召のおわしまし候儀にや」云々と書いてある。