Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lee 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 144.507 caracteres · 291 pantallas
それでも例の問題が起ってから、わざわざ踏み込んでくる人も多いとみえて、そこにもここにも草の葉が踏みにじられている。その足跡をたよりにしてどうにかこうにか辿り着くと、ようように土台石らしい大きい石を一つ見いだした。そこらはまだほかにも大きい石が転がっている。中には土の中へ沈んだように埋まっているのもある。こんなのが夜啼石の目標になるのだろうかと僕は思った。
あたりは実に荒涼寂寞だ。鳥の声さえも聞えない。こんなところで夜ふけに怪しい啼声を聞かされたら、誰でも余りいい心持はしないかも知れないと、僕はまた思った。その途端にうしろの草叢をがさがさと踏み分けてくる人がある。ふり向いてみると、年のころは二十八九、まだ三十にはなるまいと思われる痩形の男で、縞の洋服を着てステッキを持っていた。お互いは見識らない人ではあるが、こういう場所で双方が顔をあわせれば、なんとか言いたくなるのが人情だ。僕の方からまず声をかけた。
「随分ここらは荒れましたな。」
「どうもひどい有様です。おまけに雨あがりですから、この通りです。」と、男は自分のズボンを指さすと、膝から下は水をわたって来たように濡れていた。