Clásicos japoneses con furigana
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ぎもんのきんかい
疑問の金塊
海野 十三
Lee 疑問の金塊 (ぎもんのきんかい) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.600 caracteres · 32 pantallas
それは何故か?
王水という強酸があることを、人々は知っているであろう。それは硝酸と塩酸とを混ぜた混合酸であるが、この酸に黄金を漬けると始めて黄金は形が崩れ、やがて、全く形を失って液の中に溶け去る。それでこの強酸に王水という貴い名前が附けられている。――
黄金を王水に溶かしたのは私ではない。それは今、殺人罪で警察に監禁せられているカンカン寅の仕事だ。彼奴はそれを、あの海岸通の古い建物の中で仕遂げたのだ。九万円の金魂は、手下の赤ブイの仙太を使って、銀座の花村貴金属商から強奪させた。仙太が逃げ帰ってくると、煉瓦大の其の金塊は巻き上げ、仙太の身柄は身内の外に隠した。しかし仙太がいずれその内に喋るのを恐れたカンカン寅は、残虐にも仙太に報酬をやるといって呼び出した。
仙太は何も知らず、云いつけ通り海岸通の古建物の前へ来て口笛を吹いたのだろう。カンカン寅は、仙太と一室に逢うのは仙太のために危険だと巧いことを云い、あの建物の二階から、報酬の金貨を投げ与えたのだ。仙太が地上に散らばった金貨を拾おうと跼んだところを、二階からカンカン寅が消音ピストルを乱射して殺してしまったのだった。