Clásicos japoneses con furigana
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Lee 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 179.399 caracteres · 353 pantallas
「呼んだんだけれど起きなかったから、そうッとして置いたんだよ」
「そこにすわって、何をしてたの?―――寝顔を見ていた?」
「ああ」
「ふッ、可笑しな人!」
そう云って彼女は、子供のようにあどけなく笑って、伸ばしていた手を私の膝に載せました。
「あたし今夜は独りぽっちでつまらなかったわ。誰か来るかと思ったら、誰も遊びに来ないんだもの。………ねえ、パパさん、もう寝ない?」
「寝てもいいけれど、………」
「よう、寝てよう!………ごろ寝しちゃったもんだから、方々蚊に喰われちゃったわ。ほら、こんなよ! ここん所を少うし掻いて!―――」
云われるままに、私は彼女の腕だの背中だのを暫く掻いてやりました。
「ああ、ありがと、痒くって痒くって仕様がないわ。―――済まないけれど、そこにある寝間着を取ってくれない? そうしてあたしに着せてくれない?」
私はガウンを持って来て、大の字なりに倒れている彼女の体を抱き掬いました。そして私が帯を解き、着物を着換えさせてやる間、ナオミはわざとぐったりとして、屍骸のように手足をぐにゃぐにゃさせていました。
「蚊帳を吊って、それからパパさんも早く寝てよう。