Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lee 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 179.399 caracteres · 353 pantallas

Aozora Bunko

「だが何だろう、僕等の所へそう押しかけちゃ来ないだろう、………」

「たまにはいいけれど、たびたび来られると迷惑だわ。もし今度来たら、あんまり優待しない方がいいことよ。御飯なんか御馳走しないで、大概にして帰って貰うのよ」

「けれどまさか、追い立てる訳には行かんからなあ。………」

「行かない事はありゃしないわ、邪魔だから帰って頂戴って、あたしとっとと追い立ててやるわ。―――そんな事を云っちゃいけない?」

「ふん、又熊谷に冷やかされるぜ」

「冷やかされたっていいじゃないの、人が折角鎌倉へ来たのに、邪魔に来る方が悪いんだもの。―――」

二人は暗い松の木蔭へ来ていましたが、そう云いながらナオミはそっと立ち止まりました。

「譲治さん」

甘い、かすかな、訴えるようなその声の意味が私に分ると、私は無言で彼女の体を両手の中へ包みました。がぶりと一滴、潮水を呑んだ時のような、激しい強い唇を味わいながら、………

それから後、十日の休暇はまたたくうちに過ぎ去りましたが、私たちは依然として幸福でした。そして最初の計画通り、私は毎日鎌倉から会社へ通いました。「ちょいちょい来る」と云っていた関の連中も、ほんの一遍、一週間ほど立ってから立ち寄ったきり、殆ど影を見せませんでした。