Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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とざんのあさ

登山の朝

辻村 伊助

Lee 登山の朝 (とざんのあさ) de 辻村 伊助 (つじむらいすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 5521 caracteres · 11 pantallas

Aozora Bunko

星明かりに登る雪路は、昨日すべり降りた足路をたどったのであるが、道が違いはしないかと思われたほど非常に遠く、それに思ったよりも急でなく、どこまで登っても果てがないように感ぜられた。しかしそれは、比較するもののない夜道と、雪の上で非常に手間どったためであったろう。私は危ぶみながら立ち止まって見回した。ランターンの赤くにじむ幾尺のほかは、沙漠のような灰色のフィルンである。

雪をさんざん登りつめると、急な崖に取っついた、北へ切れれば、シュレック・フィルンから落ちる深い氷河で、雪の反射から黒い崖に移った私たちは、薄暗いランターンに足元の幾平方尺を照らしながら、石垣の塗土のように、岩のかけらに食い込んだ氷に杖を打ち込んで、また東へ向かって登って行った。

私たちはガッグと呼ばれる岩角に来た。すぐ右手は、シュトラールエックホルンの尾根つづきであるが、頭の上まで薄青く、銀河のようにつづいた積雪のほかには何も見えない。

雪は、ガッグのはずれから、また急に深くなって、右側の急斜に沿うてぐるっと曲がって行くと、昨日の足跡はそこでばったり止まって、目の前には、ひろびろとした雪田が横たわる、シュレック・フィルンである。