Clásicos japoneses con furigana
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とざんのあさ
登山の朝
辻村 伊助
Lee 登山の朝 (とざんのあさ) de 辻村 伊助 (つじむらいすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 5521 caracteres · 11 pantallas
岩角には、まだ氷が下がっている。私たちは手袋をはずして、いよいよ岩登りをはじめた。洞穴のようにえぐれた窓の左をめがけて、雪の急斜に飛び出した岩の鼻にしがみつくと、ロープを出来るだけ延ばして、ヘッスラーがはいずってゆくのを、ただ見ていてもはらはらする、ずいぶんきわどい岩登りをやって、もうアレトの上に出そうなものだと思ったが、尾根は牙のような岩ばかりで、その両側の岩壁にかじりついて、登ったり降りたりするので、尾根の向こう側はまだ見ることが出来ない。
岩壁の下は、深い底の方から、雪の急斜になって、手をゆるめればそれっきりだ、壁をはいずり下って、岩の上に出ると、またその岩というのがギザギザに欠けているから、石は落ちやすいし手がかりはなし、両手を広げて、コウモリみたいに岩に食いつくような格好で、登ったり降りたりするのはずいぶんたまらない。
もうこうなると、登路なんていうのはあてにはならない、先登のヘッスラーがはいずって行くから、すぐ後ろからロープに縛られて登って行くと、岩の向こう側は断崖で、行き止まりになっている、すると今度は逆もどりをして、フォイツが先登になって別の岩をよじ登る。