Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lee 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 112.046 caracteres · 224 pantallas
可哀相な老婆は、わしの目を見ると、えたいの知れぬ叫び声を発して、矢庭に逃げ出そうとした。人里離れた森の下暗で、突然白装束の故人に出会ったのだ。幽霊と思うのも無理ではない。
「お豊お待ち、怪しいものではない。わしだよ」
再び声をかけたが、おびえ切ったお豊は身を縮めて、容易に近づこうとはせぬ。
「どなたです。その覆面を取って下さい」
甲高い震え声だ。
「イヤ、これを取らずとも、お前にはわしが誰だか分る筈だ。この目をごらん。この声をお聞き」
わしはジリジリと婆やに近づいて行った。
「イイエ、わたくし、分りません。そんな筈がございません」
お豊はまるで悪夢にうなされている様に、死にもの狂いだ。
「そんな筈がないといっても、こうしてわしがここに立っているのが、何より確な事実ではないか。わしはお前の主人だ。大牟田敏清だ。サア、白状しなさい。お前はここへ何をしに来たのだ」
お豊はまるで死人の様に青ざめて、石になったかと息さえもせぬ。
「白状しないのだね。よろしい。それではそこを動かないで、わしのすることを見ているのだ。いいかね、わしが何をするか、よく見ているのだよ」
わしは別荘の物置小屋へ走って行って、一挺の鍬を持ち出して来た。