Clásicos japoneses con furigana
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ひゃくしょうやのすけのはなし
百姓弥之助の話
中里 介山
Lee 百姓弥之助の話 (ひゃくしょうやのすけのはなし) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.621 caracteres · 99 pantallas
事を百姓弥之助は考えている。
それはそれとして百姓弥之助の少年時代つまり小学校卒業の頃十四歳の頃までは電気というものに恵まれない生活であった。極く幼年時代はあんどんの時代であって、それから石油洋燈の時代に移った、石油洋燈にも大小数々の形はあったが、大体釣ラムプと台ラムプの二つに分れている、夕飯などは大ていこの釣洋燈の下で一家うち揃って膳に向ったものである。ついでに食膳の事をいうと一つの大きな卓を囲んで一家丸くなって食事を取るというのでなく、皆それぞれ膳箱を一つ持たせられて自分の食器は総てその中へ入れて置いてそれをめいめい持ち出して釣ラムプの下に集って食事をしたものである、台ラムプの方は主として机の前に置いて事務勉学等に使用した。石油ラムプというものは今日では東京の市中をさがしても殆ど一つもない、数年前弥之助は植民地へ持ち帰ろうと思って、足を棒にして東京中をさがし廻ったけれども、とうとう何所にも見出す事が出来なかった、最後に銀座の或る大きな洋品店で聞いて見ると一つ有った筈だと棚の方をさんざんさがして呉れたが、とうとう発見が出来なかった。そこである園芸種物会社へ行って園芸用の安全ラムプを買い求めてやっと要用を満たしたが、いずくんぞ知らん、この植民地に近い町村の荒物屋では今日でもいくらも石油ラムプを売って居る