Clásicos japoneses con furigana
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まゆかくしのれい
眉かくしの霊
泉 鏡花
Lee 眉かくしの霊 (まゆかくしのれい) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 26.284 caracteres · 51 pantallas
氷のような月が皎々と冴えながら、山気が霧に凝って包みます。巌石、がらがらの細谿川が、寒さに水涸れして、さらさらさらさら、……ああ、ちょうど、あの音、……洗面所の、あの音でございます。」
「ちょっと、あの水口を留めて来ないか、身体の筋々へ沁み渡るようだ。」
「御同然でございまして……ええ、しかし、どうも。」
「一人じゃいけないかね。」
「貴方様は?」
「いや、なに、どうしたんだい、それから。」
「岩と岩に、土橋が架かりまして、向うに槐の大きいのが枯れて立ちます。それが危なかしく、水で揺れるように月影に見えました時、ジイと、私の持ちました提灯の蝋燭が煮えまして、ぼんやり灯を引きます。(暗くなると、巴が一つになって、人魂の黒いのが歩行くようね。)お艶様の言葉に――私、はッとして覗きますと、不注意にも、何にも、お綺麗さに、そわつきましたか、ともしかけが乏しくなって、かえの蝋燭が入れてございません。――おつき申してはおります、月夜だし、足許に差支えはございませんようなものの、当館の紋の提灯は、ちょっと土地では幅が利きます。あなたのおためにと思いまして、道はまだ半町足らず、つい一っ走りで、駈け戻りました。