Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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かぜのまたさぶろう

童話集 風の又三郎

宮沢 賢治

Lee 童話集 風の又三郎 (かぜのまたさぶろう) de Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 55.657 caracteres · 113 pantallas

Aozora Bunko

四人は走って行って急いで丸太をくぐって外へ出ますと、二匹の馬はもう走るでもなく、どての外に立って草を口で引っぱって抜くようにしています。

「そろそろど押えろよ。そろそろど。」と言いながら一郎は一ぴきのくつわについた札のところをしっかり押えました。嘉助と三郎がもう一匹を押えようとそばへ寄りますと、馬はまるでおどろいたようにどてへ沿って一目散に南のほうへ走ってしまいました。

「兄な、馬あ逃げる、馬あ逃げる。兄な、馬逃げる。」とうしろで一郎が一生けん命叫んでいます。三郎と嘉助は一生けん命馬を追いました。

ところが馬はもう今度こそほんとうに逃げるつもりらしかったのです。まるで丈ぐらいある草をわけて高みになったり低くなったり、どこまでも走りました。

嘉助はもう足がしびれてしまって、どこをどう走っているのかわからなくなりました。

それからまわりがまっ蒼になって、ぐるぐる回り、とうとう深い草の中に倒れてしまいました。馬の赤いたてがみと、あとを追って行く三郎の白いシャッポが終わりにちらっと見えました。

嘉助は、仰向けになって空を見ました。空がまっ白に光って、ぐるぐる回り、そのこちらを薄いねずみ色の雲が、速く速く走っています。