Clásicos japoneses con furigana
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ちくはくき
竹柏記
山本 周五郎
Lee 竹柏記 (ちくはくき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 45.798 caracteres · 91 pantallas
「冗談じゃない、私は縁起は多少なにするかもしれないが、御幣など担ぐようなことは決してしない、それはむしろ二本松のように……」
孝之助は苦笑しながら、ちょうど呼びに来た渡辺の叔母といっしょに居間を出ていった。
五時ちょっと過ぎに笠井の人たちが到着した。そのじぶんはもう、すっかり暗くなっていたので、各座敷や部屋はもちろん、廊下などにも灯をいれたし、孝之助の友人たち五人もやって来て、家の中はようやく、賑やかに活気だってきた。
式の始まる少しまえのことであったが、彼の部屋へ笠井鉄馬があらわれて、
「済まないが、ちょっと……」
そこにいる叔母たちに、座を外して貰うようにという、眼くばせをした。叔母たちは出ていった。孝之助は彼のようすで、なんの話かおよそ察しがついた。
「――岡村からか」
そうだ、と鉄馬は頷いて、一通の封書をさしだした。
「家を出ようとするときに来て、これを置いていった、式のあとで渡して呉れと頼まれたんだが」
「ではあとで見よう」
「いやここであけて呉れないか、おれも文面を知りたいんだ」
鉄馬はけしきばんでいた。彼には知らせたくない、自分だけで始末したかったが、もうすぐ義兄になる、という関係ばかりでなく、いちばん親しく近しい、友達として、鉄馬は見ずにはいないだろう、と思われた。