Clásicos japoneses con furigana
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ぜつえんたい
絶縁体
豊島 与志雄
Lee 絶縁体 (ぜつえんたい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 18.752 caracteres · 38 pantallas
」
川の水面の渦のことだった。幼い頃、田舎で、渦をじっと眺めていたことがあった。堰のあたりなど、下方に水の漏れる穴でもあったのか、満々と湛えた水面に、大きな渦が巻いていた。周辺はゆるやかな動きだが、それが次第に速くなり、中心に近づくほど急激に回転して凹み、深い穴となって、きゅーっきゅーっと巻き込んでいた。草の葉など投げ込んでみると、初めはゆっくりと遠廻りをし、次第に速い狭い円弧を描き、しまいには中心の凹みに落ち込んで、忽ち吸い込まれてしまった。その渦を眺めていると、身の引き緊る思いがするのだった。
そういうことは私にも、子供の頃に覚えがあった。
「だが、それを今はっきり思い出してみると、違った意味に取れますなあ。つまり、違った感じになるんです。渦は渦ですが、人の心理の渦、それから社会的な渦、そういうものがはっきり見えてきますよ。」
市木さんの表現は簡単でそして特殊であって、私にも充分には理解しにくかったが、要するに次のようなことらしかった。即ち、人間の心理にも一種の渦巻があって、その中心に落ち込んではもうどうにもならない。社会的な関係に於ても一種の渦巻があって、その中心に落ち込んではもうどうにもならない。