Clásicos japoneses con furigana
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みどりいろのとけい
緑色の時計
小川 未明
Lee 緑色の時計 (みどりいろのとけい) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 3276 caracteres · 7 pantallas
S町へつくと、もう暗くなりかけていました。大通りには、あかりが、ちかちかとついて、お祭りでもあるようでした。なるほど、たくさん露店が出ていました。けれど、一つ、一つ、見ていくけれど、子どものおもちゃとか、日用品とか、食べ物のようなものばかりで、望遠鏡や、時計のようなものを売る店は、見つかりませんでした。まれに、お勝手道具や農具などをならべたものがあったけれど、スケートのくつをおくような店は、見つかりませんでした。
ぼくのさきになって、歩いていた弟が、ふいに、
「にいさん。」と、ぼくをよびました。ぼくは、いそいで、弟に追いつきました。
ちょうど、露店のおわりかけたところに、古ぐつや古げたをむしろの上へつみあげた店がありました。弟は、その前へ立って、ねっしんに見ていましたが、小さな声で、
「ちょっと、あのおばあさんの手をごらん。」というのでした。
うす暗い、かたすみのところに、みすぼらしい年とったおばあさんが、かたちんばの古げたをよりわけて、あれか、これかと、くみあわせてみているのでした。おばあさんは、そのことに、まったくむちゅうでした。そしてつめをいためたのか、指さきから、赤く血がながれていました。