Clásicos japoneses con furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lee 胡堂百話 (こどうひゃくわ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 124.386 caracteres · 248 pantallas
その橋南堂版をバラバラにほぐして、私は法律書の間にはさみ、フランス語の時間といえば、川柳ばかり読んでいたのだ。
五番目は同じ作でも江戸生れ
雷を真似て腹掛けやっとさせ
この二句にはじまる江戸の風物詩百六十六編が、どんなに、私を夢中にさせたことか。
それほどまでに読みたいならば、何も教室へ出ることはない。下宿へ帰って、心ゆくまで読んだらよかろう。というのは、学生の心理を知らない言い分である。試験というものがある以上、片方の耳では、講義も聞いておかなければならず、それに、人に知られず読みふけるところに、つまみ食いのたのしさに似た不思議な魅力があったのかもしれない。
その後、大正四年に大患いで入院したときも川柳ずきの友人にたのんで、昔なつかしいサラサ表紙を買ってきてもらい、高熱にうなされながら、一日に数ページずつ読んで行った。現在までに「柳樽」の全巻を、少くとも、六回や七回は読み返したはずである。
中年から小説を書き始めた私が、舞台を江戸に取り得たのは、全く川柳のおかげである。フランス語の法律では飯が食えなかったが、外人教師に叱られた川柳は、生涯私を助けてくれたのである。