Clásicos japoneses con furigana
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のうめんのひみつ
能面の秘密
Lee 能面の秘密 (のうめんのひみつ) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.440 caracteres · 35 pantallas
ところがまたオツネサンはあすこの奥さんがゆすられてるのを聞いたんですッて。今までに一千万もゆすられてるからもうイヤです。秘密を方々で云いふらしなさいッてね。すると男がいまに後悔しますよと怖しい声で云ってたそうですよ」
この記者は東京のさる新聞の支社員だ。今しも現場から戻ってきて本社へ平凡な過失死らしいと電話したばかりである。殺人なら大記事になる。温泉町ではこうした記事が大いに話題になるから、その方面に敏腕なのがそろっているものだ。近いころ関東の農家で似たような八人殺しがあって全国的な話題となったばかりであるから、これこそ特ダネとよろこんだ。
「そのオツネサンは今どこにいますか」
「まだグーグーねてますよ」
「もう十時をまわったじゃないか」
「アンマはそれぐらい寝ても毎日毎日疲れきってる商売よ」
そこで、記者はオツネに面会を申しこんで叩き起してもらった。そんな大事件が起ったと知るとオツネは顔の色を失ってしまった。
「そんなこと新聞に書かれちゃ大変だよ。まさかそんなことが起るとは知らないからウカツに喋っちゃッたけどさ。もう何を訊かれても答えないわよ」
「答えてくれなきゃ尾ヒレをつけて書くだけさ。