Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

じじょでん

自叙伝

大杉 栄

Lee 自叙伝 (じじょでん) de 大杉 栄 (おおすぎさかえ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 115.021 caracteres · 230 pantallas

Aozora Bunko

雪は降る。眼前数歩の先きは何にも見えないほどに、細かい雪がおやみなく降る。降るばかりならまだいい。時々強い風が来ては、足もとの雪を顔に吹きあげる。そんな時には、ただしっかりと踏みとどまって、その風の行ってしまうのを待っているほかはない。そしてまた、ただほかよりは少し小高くなっている道をあてに、一歩一歩腿まで埋まりながら重い雪靴の足を運んで行くのだ。

ちょうど新発田と新津との中間の、水原という町の向うの、一里ばかりの原に通りかかった時には、三人とも疲れと餓えとでへとへとになってしまって、幾度その原の中で倒れかかったか知れなかった。そして五歩歩いては休み十歩歩いては休みして、ようやくその原の真ん中の一軒家に着いた時には、みんなもうまるで死んだもののようだった。

しかし、その一軒家で大きな囲爐裡に火をうんともやして、一時間ほどそのまわりに転がって寝て、そしてあつい粥を七、八はい掻っこんだあとでは、すっかりもとの気分になっていた。

そして夕方近い頃に、一番の汽車に間に合う筈であった新津に、ようやく着くことができた。

東京に着くとすぐ、僕は牛込矢来町の、当時から予備か後備かになっていた退役大尉の、大久保のお父さんを訪ねた。