Clásicos japoneses con furigana
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lee 自叙伝 (じじょでん) de 大杉 栄 (おおすぎさかえ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 115.021 caracteres · 230 pantallas
たぶんそんな餓えを充たすのだったろう。僕はよく飯倉の親戚の家へ出かけた。従兄の山田良之助(今陸軍の少将で憲兵司令官をやっている)の細君の家だ。山田は当時陸軍大学校の学生で、この飯倉の邸内の小さな家に住んでいた。僕はそれらの人のしんみな親しみの中にもひたりたかった。その邸のかなり贅沢な適位な生活の中にもひたりたかった。そしてまた、そこのいろんな綺麗な女の人達の笑い顔も見たかった。しかし、その人達はみな、男も女も綺麗ではあったが、その顔も心も冷たかった。ことに、僕が幼年学校を逐いだされてからは、なおさらそうのような気がした。僕よりも二つ三つ年下の何とかさんという娘なぞは、僕の幼年学校時代にはずいぶんよく一緒に遊びもしふざけもして、僕は心中ひそかに「僕が任官したら」という望みをすら持っていたんだったが、もう大ぶ娘らしくなってツンと済ましていた。
そんな寂しさがきっと主になって、そしてそのほかにもまだ、新しい進歩思想を求める要求なぞが手伝って、順天中学校を終る少し前から僕はあちこちの教会へ行き始めた。そして下宿から一番近い、またそのお説教の一番気にいった、海老名弾正の本郷会堂で踏みとどまった。