Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lee 自叙伝 (じじょでん) de 大杉 栄 (おおすぎさかえ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 115.021 caracteres · 230 pantallas
それは、やはりこの日清戦争で留守の間に、与茂七火事という大きな火事があったのだ。
幾月頃か忘れたが、もう薄ら寒くなってからのことのように思う。ある夜、十一時頃に、火事が起きた。僕のいた西ヶ輪は新発田のほとんど西の端で、その火もとはほとんど東の端だった。で、一時間ばかりは、家でその火の手のあがるのを見ていた。が、火は容易に消えそうもなかった。ますます火の手が大きくなって近所へ燃え移って行くようだった。
僕はすぐ走って見に行った。そして一時間か二時間あちこちで見物していた。ある時には火のすぐそばまで行って見た。というよりもむしろ、火にすぐそばまで追っかけられて来た。火事場から四町も五町も遠くで見ていたつもりなのに、うっかりしているうちにもう火がすぐそばまで来ていた。火焔の舌が屋根を舐めるようにして走って来るのだ。そして、僕は、そうこうしているうちに、火事場へ走って行く人はほとんどなくなって、火事場の方から逃げて来る人ばかりなのに気がついた。
長い間天気が続いて、薄い板の木っ葉屋根がそり返るほどに乾ききっていた。火はこの屋根の上を伝って、あちこちの道に分れて、しかもそれがみな飛ぶようにして走り廻るのだ。