Clásicos japoneses con furigana
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わかきひのおもいで
若き日の思い出
牧野 富太郎
Lee 若き日の思い出 (わかきひのおもいで) de 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 2236 caracteres · 5 pantallas
よく体の重みでその岩が割れて下に落ちなかったものだと。もし岩がかけたら私は数丈下の海中へおちるのであった。まず仕合せであった。――帰途にイツク山という在所を通ったところ、そこの宮林の巨大なタズノキを木こりが切り倒していた。見上げると、その高い枝の股に巨大なオホタニワタイが数株あった。さあそれが採りたくてたまらず、ソマに頼んでその中の最も巨大な一株を地に落してもらった。その葉をひろげたら直径が約五尺ほどもあった。これを遂に船着き場所の富江まで運び、汽船と汽車とで東京へ持ってきて、上野公園内の博物館にうえたが、その後遂に枯死してしまった。こういうことをしたのも一心に採集へ馬力をかけたわけだ。
右のことはほんの一部の植物採集談であるが、これはただの遊びごとにしたことでなく、たとえ楽しかったとはいえ、全く汗水流しての積極的採集で自分の学問のために努力したのである。それがため、私は植物の地理分布、種類などを自分から学ぶことができたのである。
私は一日もその学問から離れたことはなく次から次へと楽しく勉強を積んだわけだ。私ほど一生苦しまずに愉快に研究を続けて来た人間は世間にかなり少ないようだ。