Clásicos japoneses con furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lee 草迷宮 (くさめいきゅう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 71.733 caracteres · 142 pantallas
――差置かれたのは行燈である。
「まだその以前でした。話すと大勢が気にしますから、実は宰八と云う、爺さん……」
「ああ、手ぼうの……でございますな。」
「そうです。あの親仁にも謂わないでいたんですが、猫と一所に手毬の亡くなりますちつと、前です。」
この古館のまずここへ坐りましたが、爺さんは本家へ、と云って参りました。黄昏にただ私一人で、これから女中が来て、湯を案内する、上って来ます、膳が出る。床を取る、寝る、と段取の極りました旅籠屋でも、旅は住心の落着かない、全く仮の宿です……のに、本家でもここを貸しますのを、承知する事か、しない事か。便りに思う爺さんだって、旅他国で畔道の一面識。自分が望んでではありますが、家と云えば、この畳を敷いた――八幡不知。
第一要害がまるで解りません。真中へ立ってあっちこっち瞻しただけで、今入って来た出口さえ分らなくなりましたほどです。
大袈裟に言えば、それこそ、さあ、と云う時、遁路の無い位で。夏だけに、物の色はまだ分りましたが、日は暮れるし、貴僧、黒門までは可い天気だったものを、急に大粒な雨!と吃驚しますように、屋根へ掛りますのが、この蔽かぶさった、欅の葉の落ちますのです。