Clásicos japoneses con furigana
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あらいそのきょうみ
荒磯の興味
佐藤 惣之助
Lee 荒磯の興味 (あらいそのきょうみ) de 佐藤 惣之助 (さとうそうのすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 3703 caracteres · 8 pantallas
荒い岩礁と怒濤が白馬のように狂っている磯へゆくと、あまりにも人間の存在は弱く小さい。むしろ魚の方があの怒濤に堪えて生きているだけあって、人間よりも強く賢いようにさえ思える。友人と二人で行っても、七八間隔ったら浪の響きで言葉が解らないことがある。まして岩礁はよく辷ったり、釘の山のような所があったり、峨々たるところ、坦々たるところ、辷ったり、曲ったり、尖ったり、千変万化に岩が配置されているから、どこから行って、どこを通るという見当さえつかない所もある。浅い所は白泡が立っている、深い所は深藍に渦巻いている。適当な巌が出ていると思うと、なかなか道がない、背後の絶壁を岩登りの勢いで降りたり登ったり、又干潮を見計って、少し沖の岩へ渉ったり、とにかく岩登り、岩歩きが上手でないと危険である。陸釣で海にさらわれるのは、多く荒磯の釣にゆくからである。
然し精神を落着けて、つまり浪のリズムに乗り、海と身も心もぴたりと一致さして、潮のとびちる巌上に立ち、一竿を揮って釣れるようになったら、その豪快な感覚というものは無類である。水平線と、浪と雲、岩とそして自分と魚だけで、竿を振り、餌を流し、獲物を狙う。