Clásicos japoneses con furigana
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くさもみじ
荷風随筆集(下)
永井 荷風
Lee 荷風随筆集(下) (くさもみじ) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 30.512 caracteres · 63 pantallas
急に御願いがあるんですが。」
帽子をかくしたのは友達がわたしの家へ馬をつれて来たので、わたしは家人の手前を憚り、取るものも取り敢ず救を求めに来た如く見せかけようとしたのである。
事は直に成った。二人は意気揚々として九段坂を下り車を北廓に飛した。
腕車と肩輿と物は既に異っているが、昔も今も、放蕩の子のなすところに変りはない。蕩子のその醜行を蔽うに詩文の美を借来らん事を欲するのも古今また相同じである。揚州十年の痴夢より一覚する時、贏ち得るものは青楼薄倖の名より他には何物もない。病床の談話はたまたま樊川の詩を言うに及んでここに尽きた。
縁側から上って来た鶏は人の追わざるに再び庭に下りて頻に友を呼んでいる。日暮の餌をあさる鶏には、菓子鉢の菓子は甘すぎたのであろう。
唖々子は既にこの世にいない。その俳句文章には誦すべきものが尠くない。子は別に不願醒客と号した。白氏の自ら酔吟先生といったのに倣ったのであろうか。子の著『猿論語』、『酒行脚』、『裏店列伝』、『烏牙庵漫筆』、皆酔中に筆を駆ったものである。
わたしは子の遺稿を再読して世にこれを紹介する機会のあらんことを望んでいる。