Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
なおこ
菜穂子
堀 辰雄
Lee 菜穂子 (なおこ) de 堀 辰雄 (ほりたつお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 88.758 caracteres · 173 pantallas
私達はそれだものだから、なつかしそうについ長い立ち話をして、それから漸くの事で分かれた。
私は一人で家路に著きながら、途々、いま分かれてきたばかりのおようさんが、数年前に逢ったときから見ると顔など幾分老けたようだが、私とは只の五つ違いとはどうしても思われぬ位、素振りなどがいかにも娘々しているのを心に蘇らせているうちに、自分などの知っているかぎりだけでも随分不為合せな目にばかり逢って来たらしいのに、いくら勝気だとはいえ、どうしてああ単純な何気ない様子をしていられるのだろうと不思議に思われてならなかった。それに比べれば、私達はまあどんなに自分の運命を感謝していいのだろう。それだのに、始終、そうでもしていなければ気がすまなくなっているかのように、もうどうでも好いような事をいつまでも心痛している、――そういう自分達がいかにも異様に私に感ぜられて来だした。
林の中から出きらないうちに、もう日がすっかり傾いていた。私は突然或決心をしながら、おもわず足を早めて帰ってきた。家に著くと、私はすぐ二階の自分の部屋に上がっていって、此の手帳を用箪笥の奥から取り出してきた。